座談会

製品開発ストーリー

バルクベースに秘めた想い。

部署の垣根をひょいと越えて、ひとが交わり、
想いがかけ合い、何倍もの相乗効果を生む。
サンメディカルの製品は、ひと×ひとが
作っています。

学術部
TT

人に合わせられることが、長所でもあり短所だとか。「主張と調和のバランスが最近のテーマなんです」とTさん。日常では、まだ幼い子の母親としても奮闘。自分の時間はほとんどないものの、子育てがある意味リフレッシュになっているそう。

研究開発部
YT

話し口調が穏やかで、マイペース。あまり周りに影響されないことが、忍耐づよく研究に没頭できる秘訣なのかも。「頼まれごとは、試されごと」と、他部署からのどんなオーダーにも、まずは受け入れて挑戦してみる懐の深さがある。

国内営業部
MT

何でもきっちり細かくやりたい性分ゆえ、「自分で追い詰められているところがあります(笑)」と自己分析。週末は出張が多いため、オフの日はたっぷり子どもと遊ぶようにしているそう。ひとりの趣味の時間は減ったものの、子煩悩なよきパパ。

02素材力と発想で、既成概念を壊せ!
新発想『バルクベース』が誕生するまで。

T
これは、親会社の三井化学が開発した新素材「LPS(低重合収縮)モノマー」を有効活用した新製品を作ろう、と始まったプロジェクトだったよね。
M
歯科業界では、虫歯治療などに使うコンポジットレジン(白い詰め物の充填材)が、「重合収縮しない=縮まない」というのは“夢の製品”であるわけで。ただ今の技術では難しいので、重合収縮をなるべく小さくする研究は進んでいるけれど、LPSモノマーはその一歩先をゆくものになりましたよね。
それを一体どんな製品に生かせばいいのか、営業部としてまず模索しました。白い詰め物の充填材にすると競合他社が多いので、「裏層材」といって下地に使う方が、低重合収縮の特性を活かせるんじゃないかと考えたわけです。これまで、重合収縮によるギャップを避けるため何回かに分けて積層しないといけなかったものが、たった1回の充填で叶いますから。
T
研究開発部としてはどういう苦労があった?
Y
低重合収縮モノマーというだけあって、既存のものとは比にならないほど収縮率が低いんです。実際にどれほど収縮するかを正しく測定しようとしても、毎回ばらつきが出てしまうほど。これでは研究開発そのものが進まないので、わずかな収縮率を緻密に読み取る新しい評価法を確立するところから始めました。「バルクベース」という製品化に至るまでは、約2年の歳月を研究に費やしましたね。
M
そこから営業として苦労したのは、歯科医の先生方に利点をどう理解してもらうか、かな。下地として歯髄の近いところにレジン(白い詰め物の充填材)を使う症例はあまりなかったので、神経に障害を起こすんじゃないかと考える先生方もいらっしゃいました。問題なく使える材料だと認識を変えてもらうために、学術部にはお世話になりましたね。
T
そうですね。30名ほどの歯科医の先生方に、本当に効果があるのかを実証していただいて。「詰めた後の痛みが少ないよ」とか「神経を抜く症例が減ったよ」という多くのご意見をいただいたんです。

医療現場の想いをのせて。
バルクベースは、さらなる領域へ。

M
実際、「従来の材料より痛みが少なくなった」とか「時短に繋がった」と、歯科医の先生方の満足度は非常に高いと思いますね。そうなると、「表層までバルクベースを使いたい」という声が出てきた。「さらに強度の高いものにならないか?」という声が、『バルクベース ハード』開発のスタートですね。まぁ、僕が口で言うのは簡単なんですけど(苦笑)。
Y
(笑)。相談された時は悩みましたけど、実現できるような感触はありましたよ。強度としては問題なく高められるだろうと。今後は、審美の上でさらに美しいものに改良できるか、がポイントでしょうね。
T
反応のよい製品ほど、「もっとこういうものがほしい」という声が多くなりがちですよね。
M
ところで、『バルクベース ハード』ができて、硬化させるための光照射時間が半分になったのはなぜ?そこまで要望したわけではなかったのに。
Y
それは、たまたまです(笑)。
M
いやいや、期待以上のことを返したって言ってよ~!
T
そうよ、Yくん!
Y
残念ながら、そこは想定外でした(笑)。今回、強度や色をつけていく過程の中で、光照射時間を半分にできると偶然にも発見したんです。スピーディに済むということは、先生にも患者さんにも負担が減るので、結果オーライかなと。
T
何事もより深く考えるタイプやもんね、Yくんは。きっとその恩恵じゃないかしら。
M
まさかの時短まで叶えるとは、さすがやね。

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