座談会

製品開発ストーリー

i-TFC ルミナス、ついに誕生。

2007 年からのロングラン製品を
保険適用できるようバージョンアップ。
期待の声が、ついに形となりました。

国内営業部
TH

歯科技工士と歯科助手を経て、ここへ。柔らかな笑顔からは想像つかないが実は人見知りだという辻さん、未経験の営業に尻込みしていたものの、「本当にいい会社だから」と勧められて入社を決めたとか。

第一研究開発部
KN

学生時代は生物学でバイオ関連の研究に没頭し、機械部品メーカーに入社して材料開発を担当。どちらの経験も生かせる転職先を探しているうちにサンメディカルにたどり着く。歯科業界の知識はゼロだったが、それゆえに柔軟な発想が生きる。

02トレードオフに負けるな!
研究部の地道な道のり。

K
サンメディカル独自の特長である「光ファイバー」を生かしたままで、保険適用の条件に合わせることが、実はなかなかハードルが高かったですね。
T
一番のハードルは、強度の問題?
K
そうですね。まずはファイバーポスト単体の強度を上げること、さらにレントゲンにくっきり写ることをクリアするのが大変でした。決して、「i-TFCシステム」の強度が弱いわけじゃないですが、保険適用の条件ではファイバーポスト単体の強度が求められていた。「i-TFCシステム」は光ファイバーポスト+レジンで実際の歯に近いものを作るシステムなので、光ファイバーポスト単体の強度だけで判断されると基準を満たさなかったんですね。さらに、既存の「i-TFCシステム」は再根管治療を想定して柔らかいプラスチックタイプの光ファイバーを使っていたので、レントゲンには明確に写りにくい。これらをどうクリアするかが問題でした。
T
光ファイバーはうちだけの特長ですもんね。他社はグラスファイバーだけで作られているからファイバーポスト自体の強度が高いけれど、うちはグラスファイバーの中心に光ファイバーが入っている分、グラスファイバーの割合が少なくなる。だけど、他メーカーがどんどん保険適用製品に参入している中で、同じようなものを販売しても意味がないし、「どうしても光ファイバーの特長を生かせるものがほしい!」と営業部からもお願いしたので、かなり苦労してもらったんだろうと思います。
K
試行錯誤したのは、光ファイバーポストの素材選びと組み合わせですね。レントゲンに写ることがクリアできたら、逆に強度が下がってしまったり、いわばトレードオフを繰り返していたんですよ。これはどんな研究にもありがちなことなんです。なので、両方の条件を満たす素材選びに時間をかけました。可能性は何十種類もあったので、そこからベストな組み合わせを導き出すわけですね。
T
研究者って本当にすごいと思うなぁ……。ほんのちょっと数値を変えただけの試作を何十パターンと実験するでしょう? 根気のいる仕事だなぁといつも思うんです。
K
確かに地味ですよ(笑)。予想と反した実験結果が出た瞬間はがっかりするんですけど、よく考えたらこういうパターンもできるかも、と次の可能性が頭の中で連鎖するんです。ただ、失敗の連続なのでポジティブな性格じゃないとできない仕事かもしれないですね。
T
「i-TFC ルミナス」は紙ちゃんひとりで開発したの?
K
もちろん上司のサポートあってこそですけど、主役となるルミナスファイバーの開発はほぼひとりですね。とはいえ、いろんな部署と連携しています。これは特殊な成形品なので、生産工程に無理が出ないように逐一生産部に「こういう材料を使っても問題ないですか?」と相談したり。新しい素材を検討する際には生体安全性の観点で、薬事部からアドバイスいただいたり。開発は難しいだろうという周囲の予想の中で、みなさんに前向きに応援してもらったことが励みになりましたね。
T
成功の手応えは最初からあったのかな?
K
根拠はないんですけど、自信はありました。基本的にいつも「できない」ということは考えないようにしていると言うか。
T
へぇ、頼もしい!……じゃあ、こんな夢の材料がほしいって言えば、紙ちゃんが作ってくれるかもしれないってことでしょう。
K
はい、がんばります(笑)。

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