製品Q&A 根管充填材

メタシール Soft

接着性

接着させるためにエッチング処理やプライマー処理は必要ですか?

必要ありません。
メタシール Softにはセルフエッチング能と接着性があり、前処理がなくても歯質に確実に浸透・重合します。また、次亜塩素酸ナトリウムの影響を受けません。
尚、交互洗浄時にはEDTAを使用することをおすすめします。

次亜塩素酸ナトリウムによって接着に影響を受けますか?

影響を受けません。
独自のアミノ酸系重合開始剤によって次亜塩素酸ナトリウム処理後の歯質にも良好に接着します。

ガッタパーチャポイントにはどのように接着するのですか?

メタシール Softに含まれるモノマー成分がガッタパーチャポイントの表層を薄く溶解しながら浸透し、その後重合することでガッタパーチャポイント表層に含浸層のような接合界面を形成し、接着します。ただし、ポリプロピレン製の樹脂ポイントには接着しません。

「メタシール Soft」とガッタバーチャポイントの界面
「メタシール Soft」とガッタパーチャポイントの界面

重合性

どのように重合するのですか?

メタシール Softはデュアルキュア型のシーラーです。
ラジカル放出時間の長いアミノ酸系化学重合開始剤と光重合開始剤を組み合わせることで、根管内での十分な操作時間と光硬化による作業性のよさを両立させています。
またアミノ酸系重合開始剤は水分のある根管でも重合が阻害されず、歯質界面から重合が開始されるため、重合収縮による間隙が発生しません。

光照射によって一度に全部硬化しますか?

表層約1.7mm のみ硬化します。
光照射時間の目安はモリタ社製ペンキュア2000(ノーマルモード)で20秒です。
光重合によって表層のみが硬化することで、次の作業に移りやすくなります。また、下部は化学重合によってゆっくり硬化することで、重合収縮を緩和して良好な接着界面と高い封鎖性を保てます。

化学重合のみで重合する場合、どのくらいの時間で硬化しますか?

根管内に充填して60 分程度で硬化します。

硬化体特性

レジン系なので、硬くてファイルでは削れないのではないですか?

硬化後も硬化体は柔らかいので除去が容易です。新規の長鎖モノマーと三井化学株式会社の技術を応用した柔軟なポリマーにより、ファイルやリーマーで容易に除去できます。

根管模型に充填したシーラーを除去している様子
根管模型に充填したシーラーを除去している様子
硬化体を指で曲げた様子
硬化体を指で曲げた様子

X線造影性はどの程度ありますか?

対アルミで約500%です。

操作性

エンドノズルにはどのようなメリットがありますか?

メタシール Softを確実に根管内全体に移送できます。根管内の歯質に接着性のあるメタシール Softを均一に充填することで、根管内のシール性が更に高まり、細菌の再侵入を抑制できます。

エンドノズル
長さ:17mm、サイズ:#60
テーパー:先端から14mm まで03

エンドノズル先端のスリットにはどのようなメリットがありますか?

シーラーの注入圧力を分散し、根尖孔外へのシーラーの溢出を低減できます。
シーラーを注入する際はシリンジに徐々に力を加え、根管にシーラーが注入されはじめたら歯冠側方向にゆっくり引き抜きながら押し出してください。

エンドノズル先端のスリット
エンドノズル先端のスリット

1根管につきどの程度のシーラーを目安にすればよいですか?

1根管につきパウダー1カップ、リキッド1滴を目安にして下さい。
ただし単根でも根管が太い場合は2カップ、2滴が必要な場合があります。
複数根管の場合は根管数と同じ程度のパウダーとリキッドが目安です。

パウダーとリキッドの正しい採取方法はありますか?

まずパウダーの容器を開ける前に軽く振ってください。
その後、付属のメタシール Softスプーンでパウダーの表層を採取し、軽くすり切ってください。
また、リキッドを採取する際は気泡の巻き込みに注意し、ボトルを垂直にして滴下してください。

練和後の理想的な性状はどのような状態ですか?

ホイップクリームのようになめらかな状態が理想的です。練和泥がボソボソした状態では、十分な性能を発揮しない場合がありますので、ご注意ください。

なめらかな状態
なめらかな状態
ボソボソした状態
ボソボソした状態

練和後の注意点はありますか?

メタシール Softは光重合性を付与しているため、練和直後にお使い頂くことをおすすめします。状況により、すぐに使用しない場合は付属の遮光カバーを用いて必ず遮光してください。
シーラーを填入したエンドノズルもすぐに使用しない場合は、遮光カバーで覆ってください。

ガッタパーチャポイントの挿入ついて

根尖でのタグバックがしっかり得られる症例は、シングルポイント法が可能です。
良好なタグバックが得られない根管や太い根管、扁平根管にはアクセサリーポイン卜の併用をおすすめします。

マイクロスコープ光源の影響

マイクロスコープのライトで硬化しませんか?

光源の強さによっては短時間で硬化します。
根充操作時は光量を最小限にするか、光量を適度に落としてオレンジフィルターの併用をおすすめします。
光量が極端に強いとオレンジフィルターを併用しても硬化が早まります。
操作時間を長く確保したい場合は、ライトの光量にご留意下さい。
デンタルライト(チェアライト)下での作業なら十分な操作時間が確保できます。

保管条件

冷蔵庫保管とありますが、取り扱い及び保管温度の目安は何度ですか?

ご使用にあたっては室温(25℃)でかまいませんが、ご使用後は冷蔵(1 ~ 10℃)で保管してください。
室温で長期間保管すると、成分変化により十分な性能を発揮しない場合があります。購入後は直ちに冷蔵庫で保管してください。エンドノズルは多湿、直射日光を避けて保管してください。

その他

標準使用量で何根管分使用できますか?

120根管分です。

生体適合性についてはどうですか?

生体適合性評価をJIS T 0993-1:2012 及びJIS T 6001:2012に従って実施し、適合することを確認しています。

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